通番 | 9338 | 報告書番号 | 2007-東京-M054 |
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情報区分 |
保全品質情報 |
報告書状態 | 最終報告 |
事象発生日時 | 2007年 09月 26日 | 事象発生日時(補足) | 確認 |
会社名 | 東京電力株式会社 | 発電所 | 福島第一発電所3号 |
件名 | 給水加熱器ドレンポンプの点検状況について | ||
国への法令報告根拠 | なし | 国際原子力 事象評価尺度(INES) |
評価不要 |
事象発生時の状況 |
福島第一原子力発電所3号機は定期検査中のところ、平成19年9月26日より、タービン建屋地下1階に設置された給水加熱器ドレンポンプ3台のポンプバレル(埋設容器)を点検するために吊り上げ作業を行ったところ、ポンプバレルを収めたそれぞれのコンクリートピット内(3箇所)に溜まり水があることを確認した。 また、溜まり水について水質分析を行ったところ、3箇所それぞれの溜まり水からトリチウム(A:25Bq/cm3、B:44Bq/cm3、C:24Bq/cm3)が検出された。 なお、タービン建屋周囲に敷設されている排水設備の水を分析した結果、トリチウム等の放射性物質は検出されていないことから、外部への放射能の影響はないものと考えている。 |
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事象発生箇所 |
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原因調査の概要 |
当該ピット内の溜まり水からトリチウムが検出された原因について調査を行った。 1.給水加熱器ドレンポンプバレル等の調査結果 調査の結果、バレル(A)(B)に最大で20φの貫通穴が確認された。したがって、ピット(A)、ピット(B)から検出されたトリチウムは、この貫通部から復水が漏えいしたものと考えられる。バレル(C)については、貫通穴は確認されなかった。 2.給水加熱器ドレンポンプ室 埋設配管の調査結果
機器ドレン埋設配管、床ドレン埋設配管について調査を行ったが、漏えいは確認されなかった。 3.架空配管等の調査結果 当該ピット周辺にある、架空配管や給水加熱器ドレンポンプ本体から、トリチウムを含む水が漏えいし、当該ピット内に混入した可能性について調査を行った。 (1)ポンプ点検時の作業状況 過去のホンプ本格点検において、配管側とのフランジ切り離し時に、養生が不十分であったため、配管内のトリチウムを内包している残水が飛散し、ピット内に混入する可能性があったと考えられる。 (2)架空配管調査 外観目視検査を行った結果、当該ピット周辺の架空配管に、漏えい等の異常は確認されなかった。従って、架空配管から復水が漏えいした可能性はないと考えられる。 (3)機器調査(ポンプ本体) 平成19年9月14日に、給水加熱器ドレンポンプ(A)(B)(C)の点検を行う前のポンプの状態を確認したが、ホンプ本体から漏えいした形跡は見られなかったことから、ポンプ本体から復水が漏えいした可能性はないと考えられる。 4.ピットエリア床面の調査結果 ポンプ床面付近を確認したところ、床面に微細なき裂が確認された。また、平成19年9月に給水加熱器ドレンポンプ(B)の基礎部周辺から湧水が発生していた(発生量が少なかったため、トリチウムの分析ができず、トリチウムが含まれていたかについては不明)。 しかし、ピット内で検出されたトリチウム濃度を復水に換算すると、ピット(A)(B)(C)でそれぞれ130リットル、400リットル、170リットルとなり、給水加熱器ドレンポンプ(B)の基礎部周辺から湧水した水が微量であることと、過去にも床面に大量の水が湧水した事象はないことから、ピット内にトリチウムが混入した主要因ではないと考えられる。 5.ピット内調査結果 ピット内の外観調査を行った結果、全ピットのヒューム管の継ぎ目、き裂より水が染み出していることを確認した。ピット(A)については1日約10リットル程度の染み出しがあるが、ピット(B)(C)については、ヒューム管の表面が濡れる程度の染み出しであることが確認された。 6.環境への影響 建屋には地下水による圧力が建屋内部に向かって常に加わっていること、また、3.4号機建屋周辺にあるサブドレン設備の水を分析した結果、トリチウムは検出されなかったことから、コンクリート内部に浸透したトリチウムが外部へ漏えいする可能性はないと考えられる。 |
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事象の原因 |
ピット(A)(B)内からトリチウムが検出された原因は、当該ポンプのバレルに腐食による貫通孔が発生したことから、当該バレル内からトリチウムを含む復水系の水がピット内に浸入したためと判断される。 一方ピット(C)内からトリチウムが検出された原因は、ピット(B)もしくはピット(A)よりピット内に浸入したトリチウムを含んだ水が、ピットの継ぎ目やき裂から外に染み出し、コンクリート内部を通じて湧水ととも に、ピット(C)の継ぎ目やき裂より、ピット(C)中に混入したと考えられる。
また、トリチウム混入の主要因ではないが、各ピット共通の要因として、過去のポンプ点検時におけるフランジ切り離し時に、養生が不十分であったことから、配管内のトリチウムを内包している残水が飛散し、ポンプ架台とバレルスペース部の境界面の隙間から、ピット内に浸入した可能性がある。 さらに、ポンプ床面付近に微細なき裂が確認されており、平成19年9月に給水加熱器ドレンポンプ(B)の基礎部周辺から湧水が発生していたことから、この水が床面の微細なき裂を通じて、コンクリート内部に浸透した可能性がある。 |
原因分類 | その他>その他 |
事象の種別 |
時間依存性のある劣化事象
火災に該当しない事象 |
再発防止対策 |
(1)バレルを新品に交換する。 (2)ヒューム管の止水処理を行うとともに、当該ピットに内張ライニング(キャン)を設置する。 (3)残水の飛散防止を確実に実施すると共に、ピット内に混入しないよう床面の養生を実施する。 なお、コンクリート内に滲みこんだトリチウムについては、建屋内と建屋外(サブドレン設備)で監視を行う。 |
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水平展開の検討 | 不要 |
添付資料 |
概略系統図 3uHDP発生プレス添付図rev0(Fix)(151KB) 概略系統図 3uHDP添付図(47KB)
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プレスリリース |
発生時運転モード | 燃料交換 | 発生前の電気出力 | 0[MW] |
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発見の方法 | 作業・点検 | ||
発電所への影響 | なし |
外部への放射能の影響 | なし | ||
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保安規定違反 | なし | ||
検査指摘事項の 深刻度(SL)判定結果 |
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運転上の 制限外への移行 |
なし | ||
自動で作動した安全系 | なし | 手動で作動した安全系 | なし |
同発電所で発生した 同様事例 |
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その他 |