通番 | 8713 | 報告書番号 | 1999-北陸-M002 Rev.1 |
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情報区分 |
保全品質情報 |
報告書状態 | 最終報告 |
事象発生日時 | 1999年 06月 18日 02時 18分 | 事象発生日時(補足) | |
会社名 | 北陸電力株式会社 | 発電所 | 志賀発電所1号 |
件名 | 志賀原子力発電所1号機 第5回定期検査中に発生した想定外の制御棒引抜けによる臨界について | ||
国への法令報告根拠 | なし | 国際原子力 事象評価尺度(INES) |
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事象発生時の状況 |
平成11年6月18日、第5回定期検査のため停止中、原子炉停止機能強化工事の機能確認工事の準備として、制御棒関連の弁を操作していたところ、3本の制御棒が想定外に全挿入位置から引き抜かれ、原子炉が臨界状態となった。 この事象により、原子炉自動停止信号が発生したが、直ちに制御棒が挿入されず、約15分間制御棒が全挿入されなかった。 |
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事象発生箇所 |
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原因調査の概要 |
原子炉戻りラインの弁を開けずにCRD挿入ライン隔離弁を閉としたことにより、引抜ラインに圧力がかかり、制御棒が引抜けた。 原子炉自動停止信号が発生しにもかかわらず、制御棒が挿入されなかったのは、CRD挿入ライン隔離弁が閉であったこと及び水圧制御ユニットアキュムレータに圧力が充てんされていなかったためである。 |
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事象の原因 |
(1)関係者の連携不足から、制御棒駆動系の流量調節弁を閉とする前に(101,102)弁 の全閉操作を始めた。 (2)電気保修課員は、作業票に試験手順書を添付しなかったため、運転員は事前に 試験手順をチェックできず、また試験の内容を知らなかった。 (3)試験を実施した電気保修課員と運転員の打合せ等が不十分であり、(101,102)弁 の隔離操作が当直長の指揮下で行われなかった。 (4)制御棒駆動系の系統圧力が高くなったことを知らせる警報が、他の作業のため 除外されていた。 |
原因分類 | 故意・過失>作業者の過失 |
事象の種別 |
時間依存性のない事象(偶発事象を含む)
火災に該当しない事象 |
再発防止対策 |
(1)操作手順の改善 ・制御棒駆動機構の隔離手順について臨界防止措置を考慮したものに改善する。 ・HCU隔離弁の管理を厳重にするための施錠措置、HCU隔離弁の操作に関する注意標示。 ・制御棒駆動機構の隔離操作中は関連パラメータを連続監視する。 ・運転操作要領の制御棒駆動機構の隔離に関係する手順の明確化を図る。 (2)運用管理面の改善 ・監視に必要な計器及び警報が供用状態にあることを制御棒駆動機構の隔離前に確認することを手順に明記する。 ・試験時の具体的な役割分担を事前に明確化することを規定する。 (3)設備対策 ・制御棒駆動系の系統圧力が高くなったことを知らせる警報は、現在差圧の高側と低側が共通であることから、これを分離・識別し、運転員への情報提供の明確化を図る。 |
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水平展開の検討 | 対象外 |
添付資料 |
概略系統図 (参考):概要図(54KB)
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プレスリリース |
プレスリリース(本文) プレス文(29KB) プレスリリース(本文) プレス(12KB)
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発生時運転モード | 運転 | 発生前の電気出力 | 540[MW] |
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発見の方法 | 運転監視 | ||
発電所への影響 |
手動停止
その他(手動停止) 停止中に能登半島沖地震が発生し,停止期間を延長している。 |
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発電停止時間 | 18950時間 0分 |
外部への放射能の影響 | なし | ||
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保安規定違反 | なし | ||
検査指摘事項の 深刻度(SL)判定結果 |
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運転上の 制限外への移行 |
なし | ||
自動で作動した安全系 | なし | 手動で作動した安全系 | なし |
同発電所で発生した 同様事例 |
なし |
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その他 |