通番 | 8701 | 報告書番号 | 2006-東京-M050 |
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情報区分 |
保全品質情報 |
報告書状態 | 最終報告 |
事象発生日時 | 2007年 03月 05日 | 事象発生日時(補足) | |
会社名 | 東京電力株式会社 | 発電所 | 福島第一発電所1号 |
件名 | 給水加熱器ドレンポンプの点検状況 | ||
国への法令報告根拠 | なし | 国際原子力 事象評価尺度(INES) |
評価不要 |
事象発生時の状況 |
1号機は定期検査中のところ、平成19年3月1日、タービン建屋地下1階に設置された給水加熱器ドレンポンプ(B)のポンプバレル(埋設容器)を取り替えるため吊り上げたところ、当該ポンプバレルを収めたコンクリートピット内に溜まり水があることを確認した。また、同日に採取した溜まり水の水質分析を行ったところ、3月5日、自然界に含まれる濃度(約5×10^-4Bq/m^3)より高いトリチウム(約1.7Bq/m^3)が検出された。 なお、同号機はタービン建屋周囲に敷設されている排水設備の水を分析しており、トリチウム等の放射性物質は検出されていないことから、外部への放射能の影響はない。 また、本事象に鑑み、当該ポンプ(A)について確認したところ、4月2日、ピット内の溜まり水からトリチウム(約1.5Bq/m^3)が検出された。 |
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事象発生箇所 |
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原因調査の概要 |
当該ピット内の溜まり水からトリチウムが検出された原因について、要因分析表に基づき以下の調査を行った。 1.架空配管等の調査 当該ピット周辺にある架空配管や給水加熱器ドレンポンプ本体からトリチウムを含む水が漏えいし、当該ピット内に混入した可能性について調査を行った。 調査の結果、当該ピット周辺の架空配管(復水補給水系)や給水加熱器ドレンポンプ本体に漏えい等の異常は確認されなかった。 また、平成19年2月23日に給水加熱器ドレンポンプ(B)、平成19年3月28日に給水加熱器ドレンポンプ(A)の点検を行うため、ポンプと配管の接続フランジを切り離す作業を行っていたが、作業にあたっては養生が適切に行われていたことから、配管内の残水が飛散し当該ピット内に混入した可能性はないと考えられた。 従って、架空配管等から復水が漏えいした可能性はないと考えられる。 2.埋設配管・機器等の調査 当該ピット周辺にある埋設配管・機器等からトリチウムを含む水が漏えいし、当該ピット内に混入した可能性について調査を行った。 (1)給水加熱器ドレンポンプバレルの調査結果 給水加熱器ドレンポンプバレル(A)及び(B)について、漏えい確認等の点検を行ったが、漏えいを発生させるような異常は確認されなかった。 (2)ドレン系埋設配管等の調査結果 当該ピット周辺にある機器ドレン系及び床ドレン系の埋設配管、サンプピットについて調査を行ったが、漏えいは確認されなかった。 (3)復水ポンプバレル等の調査結果 当該ピット周辺に設置されている復水ポンプのバレルについて、漏えい確認等の点検を行ったが、漏えいを発生させるような異常は確認されなかった。 しかしながら、復水ポンプサクションピット内に水を張り、漏えいの有無を確認したところ、ピット内の水位が徐々に下がることが確認されたことから、ピットのコンクリート面に水が浸透した可能性があることがわかった。 また、これまでの定期検査において復水系の水抜き時には、ポンプ及び配管内の復水(残水)が復水ポンプサクションピット内に排水されることから、一時的にピット内に復水が溜まった状態になることがわかった。 以上のことから、復水ポンプの分解点検時にサクションピット内に排水された復水がピット表面の微細なき裂を通じてコンクリート内部に浸透した可能性があると考えられた。 3.ピットエリア床面の調査結果 当該ピット周辺の床面の状態を目視により確認したところ、微細なき裂が数ヶ所確認された。 このため、確認されたき裂の周辺の床面に水を張り、漏えいの有無を確認したところ、水位が徐々に下がることが確認されたことから、床面に水が浸透した可能性があることがわかった。 当該ピット周辺の床面については、平成17年7月に給水加熱器ドレンポンプ架台付近からトリチウムを含む水が漏えいし、ポンプ周辺の床面に水溜まりが発生したことがあったことから、この時のトリチウムを含む溜まり水が床面の微細なき裂を通じてコンクリート内部へ浸透した可能性があると考えられた。 4.環境への影響 以上の調査結果から、トリチウムを含む水が復水ポンプサクションピット、給水加熱器ドレンポンプ周辺の床面からコンクリート内部へ浸透した可能性があることがわかったが、建屋には地下水による圧力が建屋内部に向かって常に加わっていること、また1.2号機建屋周辺にあるサブドレン設備の水を分析した結果、トリチウムは検出されなかったことから、コンクリート内部に浸透したトリチウムが外部へ漏えいする可能性はないと考えられる。 |
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事象の原因 |
平成17年7月に給水加熱器ドレンポンプ周辺に漏えいしたトリチウムを含む水が、床面にある微細なき裂からコンクリート内部に浸透した。 また、復水系の系統水抜き時にサクションピット内に排水された復水が、ピット表面の微細なき裂からコンクリート内部に浸透した。 以上の経路からコンクリート内部に浸透したトリチウムが、コンクリート内部にある微細なき裂を通じて浸透した地下水とともに当該ピット内部に流入したものと推定した。 |
原因分類 | その他>その他 |
事象の種別 |
時間依存性のない事象(偶発事象を含む)
火災に該当しない事象 |
再発防止対策 |
(1)復水系の系統水抜きについては、復水ポンプピットを介さずに、機器ドレンサンプピットに排水するよう設備改造を行う。 (2)復水ポンプサクションピット内面及び給水加熱器ドレンポンプ廻り床面で確認された微細なき裂については止水処理を行う。 (3)給水加熱器ドレンポンプ用バレル保護の観点から当該ピットに内張ライニング(キャン)を設置する。 (4)コンクリート内部に浸透した水及び湧き水については、復水ポンプビット部に集水穴を設け、定期的に水質を確認する。 |
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水平展開の検討 | 不要 |
添付資料 | |
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プレスリリース |
発生時運転モード | 燃料交換 | 発生前の電気出力 | 0[MW] |
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発見の方法 | 作業・点検 | ||
発電所への影響 | なし |
外部への放射能の影響 | なし | ||
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保安規定違反 | なし | ||
検査指摘事項の 深刻度(SL)判定結果 |
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運転上の 制限外への移行 |
なし | ||
自動で作動した安全系 | なし | 手動で作動した安全系 | なし |
同発電所で発生した 同様事例 |
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その他 |