【登録日】
2018/04/05
【更新日】
2019/12/26
更新履歴

基本情報

通番 12794 報告書番号 2017-九州-M002 Rev.3
情報区分

保全品質情報

報告書状態 最終報告
事象発生日時 2018年 03月 30日 事象発生日時(補足) 19時頃発見
会社名 九州電力株式会社 発電所 玄海発電所3号
件名 脱気器空気抜き管からの蒸気漏れ
国への法令報告根拠 なし 国際原子力
事象評価尺度(INES)
評価不要

発生箇所および発生時の状況

事象発生時の状況  定期検査中の玄海原子力発電所3号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力118万キロワット)は、平成30年3月25日に発電を再開し、発電機出力75%で調整運転を行っていたところ、3月30日19時頃に、2次系設備である脱気器空気抜き管からの微少な蒸気漏れを確認した。
 このため、事前に公表したうえで、発電機出力を75%から負荷降下を行い発電を停止し、脱気器空気抜き管の点検及び調査を実施することとした。
 本事象による環境への放射能の影響はなかった。
事象発生箇所
【設備】  タービン設備  【系統】  抽気及びヒータドレン・ベント系
【機器1】 配管装置>配管(計装配管・オリフィス本体除く)  【部品1】 配管

原因

原因調査の概要  3B脱気器の第5空気抜き管(以下「当該管」という。)から微少な蒸気漏れを確認したため、3A及び3B脱気器のすべての空気抜き管(各8本の合計16本)の点検を以下のとおり実施した。また、当該管の過去の点検実績の調査を実施した。

(1)空気抜き管の外装板及び保温材の点検
a.外装板
 3A及び3B脱気器のすべての空気抜き管の外装板について、状況確認を実施した。結果は以下のとおり。
【当該管

 当該管の外装板下面の一部に著しい錆が確認された。
【当該管以外の空気抜き管】
 当該管以外の空気抜き管の外装板については、著しい錆は確認されなかった。

b.保温材
 3A及び3B脱気器のすべての空気抜き管の保温材について、状況確認を実施した。結果は以下のとおり。
【当該管】
 当該管の保温材と配管との接触部に、変色や錆のような付着物が確認された。
【当該管以外の空気抜き管】
 当該管以外の空気抜き管の保温材については、変色や錆のような付着物は確認されなかった。

(2)空気抜き管の点検
a.外面点検
 3A及び3B脱気器のすべての空気抜き管について、状況確認を実施した。結果は以下のとおり。
【当該管】
 当該管の水平部分の上面の一部に、腐食による明らかな凹みが確認された。また、その凹み部分の1箇所に貫通孔(長さ13mm×幅6mm 程度)が確認された。貫通孔近傍の配管は、外面から内面に向い段々に凹んでいた。なお、水平部分以外については、腐食による明らかな凹みは確認されなかった。
【当該管以外の空気抜き管】
 当該管以外の空気抜き管については、腐食による明らかな凹みは確認されなかった。

b.内面点検
 3A及び3B脱気器のすべての空気抜き管を取り外し後、内部にファイバースコープを挿入し、管内面の状況確認を実施した。結果は以下のとおり。
【当該管】
 当該管の水平部分の上面に貫通孔を確認した。なお、外面点検で確認したような、内面からの腐食による明らかな凹みは確認されなかった。
【当該管以外の空気抜き管】
 当該管以外の空気抜き管については、内面からの腐食による明らかな凹みは確認されなかった。

(3)当該管の過去の点検実績の調査
a.定期検査時の点検
 当該管の漏えい箇所近傍の水平部分は、保温材を取り外した外観点検を実施していなかった。
なお、当該管の漏えい箇所近傍の曲がり部については、第10回定期検査(平成18年12月より平成19年3月まで)において、配管内面からの減肉を確認する目的で、曲がり部の外装板及び保温材を取り外して肉厚測定を実施していたが、その際に、外装板及び保温材を取り外した範囲の配管外面に、著しい腐食があるとの所見は確認されなかった。

b.巡視点検
 毎日の巡視点検では、チェックシートを用いて、配管等について異音、振動、漏えい等の有無を確認している。過去のチェックシートを確認した結果、当該管に係る異常があるとの所見は確認されなかった。

c.総合点検
 月に1回の総合点検では、チェックシートを用いて、配管等について異音、振動、漏えい、保温の損傷等の有無を確認しており、過去のチェックシートを確認した結果、当該管に係る異常があるとの所見は確認されなかった。

d.起動時点検
 発電機出力5%、30%、50%、75%及び定格熱出力一定運転時の点検では、チェックシートを用いて、配管等について異音、振動、漏えい等の有無を確認している。発電機出力5%、30%、50%時のチェックシートを確認した結果、当該管に係る異常があるとの所見は確認されなかった。

(4)点検及び調査のまとめ
・当該管の外装板下面の一部に著しい錆があった。
・当該管の水平部分の上面の一部に貫通孔があり、貫通孔近傍の配管表面に、腐食による明らかな凹みがあった。なお、当該管の内面からの腐食による明らかな凹みは確認されなかった。
・当該管の水平部分は、外装板及び保温材を取り付けた状態での巡視点検等を実施しているものの、保温材を取り外しての点検実績はなかった。

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事象の原因  3B脱気器の第5空気抜き管には外装板及び保温材が施工されており、外装板の隙間より雨水などが浸入し外面からの腐食が引き起こされ、さらに長期間湿潤環境となったことにより、それが進展し貫通に至ったと考えられる。
原因分類 外部要因>風雨
事象の種別 時間依存性のある劣化事象
火災に該当しない事象

再発防止対策

再発防止対策 1.当該管への対応
  貫通孔が確認された当該管1本を含む全16本について、配管、外装板及び保温材の取替えを実施した。

2.今後の取組み
(1)点検・巡視時における意識向上のため、以下の教育を繰返し実施する。
   ・僅かな変化でも、その先には機器の故障が潜んでいるとの認識を常に持つ。
   ・異常の兆候を発見した際には、組織内での活発な報告、共有を行う。
(2)点検、保守内容を見
直す。
   ・使用環境を考慮した、屋外の外装板及び保温材の取替計画を策定する。
   ・外装板及び保温材が施工されている屋外配管の、計画的な点検計画を策定する。
(3)外装板等の経年変化から異常の兆候を把握するためのチェックシートを用いた点検を実施する。
(4)必要な処置を判断する仕組みを構築するため、異常を未然に防ぐ教育を行い、僅かな変化を気付き事項として認識できるようにし、新たに設ける会議体で収集・集約を行うとともに、過去の慣例にとらわれることなく、様々な視点での確認を実施する。

3.今後の更なる取組み
(1)当該管を含む脱気器廻りの屋外配管の範囲について、雨水浸入などに対する信頼性 を向上させる観点から、ステンレス鋼への取替えや屋根設置等に取り組んでいく。
(2)錆の発生や進展に対する知見を深めるとともに、その知見を点検・取替の計画策定に反映する。
(3)沿岸部であることを考慮し、外装板のメッキ方法や配管の防錆塗装の知見を収集する。
(4)外装板取付け方法の最適化について検討する。
(5)覆われて見えない設備に対する非破壊検査方法の知見の収集・活用を行う。
(6)当該管の断面観察を行う。

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水平展開の検討 水平展開状況

参考資料

添付資料 なし
プレスリリース

プラント状況

発生時運転モード モード1 発生前の電気出力 885[MW]
発見の方法 巡回点検
発電所への影響 手動停止
発電機出力を75%(調整運転中)から負荷降下を行い発電を停止した。
発電停止時間 440時間 59分

分析用情報

外部への放射能の影響 なし
保安規定違反 なし
検査指摘事項の
深刻度(SL)判定結果
運転上の
制限外への移行
なし
自動で作動した安全系 なし 手動で作動した安全系 なし

関連情報

同発電所で発生した
同様事例
なし
その他