通番 | 12504 | 報告書番号 | 2016-北陸-M002 Rev.7 |
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情報区分 |
保全品質情報 |
報告書状態 | 最終報告 |
事象発生日時 | 2016年 09月 28日 13時 04分 | 事象発生日時(補足) | 警報発生時刻 |
会社名 | 北陸電力株式会社 | 発電所 | 志賀発電所2号 |
件名 | 志賀原子力発電所2号機 原子炉建屋内への雨水流入について | ||
国への法令報告根拠 | なし | 国際原子力 事象評価尺度(INES) |
評価不要 |
事象発生時の状況 |
原子炉停止中の志賀原子力発電所2号機(改良型沸騰水型軽水炉,定格電気出力1,206MW)において,平成28年9月28日(水)8時55分,「排水設備異常(2号−開閉所共通トレンチ排水ポンプ異常(排水槽満水))」の警報が発生した。 この日,発電所内観測データでは4時から5時にかけて同日の最大時間雨量28mm/hを記録しており,石川県志賀町には6時20分に大雨・洪水警報が発令されている状況だった。 警報発生を受け,運転員は,現場の開閉所共通トレンチ排水ポンプ盤にて排水ポンプの運転表示ランプが点灯していること,排水が正常に行われていること等を確認した。 同日13時04分,「115V非常用(D)直流地絡」警報等が発生した。直ちに運転員が原子炉建屋1階(非管理区域)の非常用電気品(C)室に赴き,開閉所共通トレンチと接続されているケーブルトレイから多量の水が室内に流入していること及び常・非常用照明分電盤が被水していることを確認した。その後,運転員を含む所員が分担して建屋内全域を調査したところ,原子炉建屋地下中1階(非管理区域),原子炉建屋地下1階及び地下2階(管理区域)にも水を確認した。 原子炉建屋内に流入した水の量は,非常用電気品(C)室で約6.5m3,下層階(管理区域内及び非管理区域内合計)で約86リットルであり,原子炉建屋内への流入量は合計約6.6m3であった。 なお,本事象により,外部への放射能の影響はなかった。 |
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事象発生箇所 |
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原因調査の概要 | ・直接原因分析,根本原因分析を行い,8項目の直接要因、9項目の組織要因(マネジメントに関する要因6項目,安全文化に関する要因)を抽出し、それらに対する再発防止対策を策定した。なお,直接原因分析で抽出した直接要因は,根本原因分析で抽出した直接要因に包含されることを確認した。(詳細は,報告書参照) |
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事象の原因 |
1.直接要因 1-1.新規制基準を踏まえ,当該貫通部の水密化要否を評価中であり,また,同時期に他社トラブルの水平展開を検討中であったが,評価結果が判明するまでの間,暫定対策が実施されていなかった。(*) 2-1.排水路撤去工事期間中に設置していた仮設排水ポンプの排水能力が不足した。 2-2.警戒体制発令に係る基準の一部に,「被害の発生が予想されるとき」という曖昧な表現があり,個人の判断に左右 される余地があった。(*)
2-3-1.工事所管課の土木建築課では,大雨の予兆段階で現場の排水状況を直接確認する運用としていなかった。 2-3-2.協力会社は,構内東側道路が冠水していることを確認したが,工事仕様書等の要求上,工事を中止するような状況でなければ土木建築課に連絡する必要がなかった。(*) 3-1.施設防護課は,ハンドホールとトレンチが接続されている状態を認識しないまま,ピットとハンドホールを接続した。また,ピットとハンドホール間を止水しなかった。 4-1.警報処置要領に,人が立ち入るための入口に関する記載がなく,発電課内で,トレンチへの立入方法は伝承されていなかった。 4-2.警報の原因の特定にあたり,初動対応における詳細な事実確認が不足していた。 5-1.非常用電気品(C)室の定期的な点検(平成28年7月実施)で補修基準(幅0.3mm以上)に該当することを確認した床面のひび割れは,次年度に補修することとしていた。なお,補修基準では,幅0.3mm未満のひび割れは補修する必要がなかった。 (*) 根本原因分析から追加的に抽出された直接要因。これら以外は直接原因分析及び根本原因分析それぞれから共通して抽出された直接要因であり,直接原因分析により抽出された要因が根本原因分析の分析結果(問題点及び直接要因)に包含されていることを確認している。 2.組織要因 (1)マネジメントに関する組織要因 A.暫定対策を検討する仕組みの不足 法令・規格基準等が変更になった場合の検討,他社トラブルの水平展開の検討において,要否判断及び対策実施までの間の暫定対策を検討する仕組みがなかった。 B.設備管理不足 設計検証の仕組みにおいて,品質保証重要度の低い設備や仮設設備の機能・性能に関する検証事項が不足していた。また,設備管理上,ピット等の管理所掌が不明確であった。 C.自然災害に対するリスク管理不足 発電所全体として,自然災害に対応するマニュアルにおいて,以下の観点が不足していた。 ・未然防止のための予兆段階における現場状況の確認 ・協力会社を含めた発電所全体での情報共有 D.警報処置における迅速性・実効性の要求不足 @警報処置要領の制定・改訂時の妥当性検証において,実効性に係る検証事項が明確に定められておらず,現場確認方法が記載されていない。また,警報処置要領に記載がないことにより,現場確認方法の伝承が不足していた。 A警報処置要領には警報発生時の処置方法を規定しているものの,原因を特定するため速やかに事実関係を調査することを明確に要求していなかった。 E.トラブル時の初動対応に係る訓練不足 重大な事象を想定したトラブル訓練は十分に実施していたが,日常起こり得る不具合発生時の現場確認,原因特定等の初動対応力を向上するための訓練の実施が不足していた。 F.補修基準等の設定における水密上の観点の考慮不足 原子炉建屋のひび割れの補修基準及び補修期限の設定において,水密上の観点を考慮していなかった。 (2)安全文化に関する組織要因 T.常に問いかける姿勢の不足 ○疑問を持つ姿勢 前例や経験に囚われ,原子炉安全に影響がないと考えられることであっても,場合によっては影響を及ぼす可能性があ るかもしれないという観点での疑問を持つ姿勢が不足している。 ○迅速に対応する意識 リスクに気付いた時点で,できることはないかと問いかけ,迅速に対応する意識が不足している。 U.学習する姿勢の不足 ○技術伝承 業務に必須な知識だけに限定せず,安全の確保に必要なノウハウや経験についても積極的に学び,伝承しようとする姿 勢が不足している。 ○教育・訓練プログラムの改善 プラントの状況に応じ,より効果的な教育・訓練プログラムに改善していこうとする姿勢が不足している。 (詳細は,報告書参照) |
原因分類 |
外部要因>風雨
保守・施工不良>保守不良 管理不良>その他管理不良(リスク管理) 運転・操作不良>運転・操作不良 保守・施工不良>施工不良 |
事象の種別 |
時間依存性のない事象(偶発事象を含む)
火災に該当しない事象 |
添付資料 |
志賀原子力発電所2号機 原子炉建屋内への雨水流入について(報告)(修正)(45,413KB)
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プレスリリース |
発生時運転モード | 冷温停止 | 発生前の電気出力 | 0[MW] |
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発見の方法 | 運転監視 | ||
発電所への影響 | なし |
外部への放射能の影響 | なし | ||
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保安規定違反 | なし | ||
検査指摘事項の 深刻度(SL)判定結果 |
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運転上の 制限外への移行 |
なし | ||
自動で作動した安全系 | なし | 手動で作動した安全系 | なし |
同発電所で発生した 同様事例 |
なし |
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その他 |