通番 | 111 | 報告書番号 | 1996-九州-T003 |
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情報区分 |
トラブル情報 |
報告書状態 | 最終報告 |
事象発生日時 | 1997年 03月 15日 12時 00分 | 事象発生日時(補足) | (出力降下開始) |
会社名 | 九州電力株式会社 | 発電所 | 玄海発電所1号 |
件名 | 復水器細管漏えいに伴う出力抑制について | ||
国への法令報告根拠 | 通産大臣通達 | 国際原子力 事象評価尺度(INES) |
評価対象外 |
事象発生時の状況 |
玄海原子力発電所1号機は、定格出力(559MW)で運転中のところ、平成9年3月15日11時24分、「復水器検塩盤Na分析計故障」、「復水器ホットウェル導電率注意」、「B復水器ホットウェル導電率高」の警報が発信し、調査の結果、「B復水器細管漏えい」と推定された。 このため、3月15日12時00分より出力降下を開始し、同日12時20分に50%出力(280MW)まで降下させて復水器片肺運転とし、復水器細管の点検を実施した。 その結果、B水室の1本の細管に漏えいが認められたため、施栓補修後に復水器へ海水を通水し、異常のないことを確認した。 また、今回の事象による環境への放射能の影響はなかった。 なお、通水確認後の3月19日14時00分より第17回定期検査のため出力降下を開始し、同日18時00分に発電機を解列した。 |
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事象発生箇所 |
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原因調査の概要 |
漏えいが認められた細管及びその周辺管について渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、漏えいが認められた細管の海水出口側管板端部付近に欠陥が認められた。 また、損傷原因調査のため、第17回定期検査時に当該管を抜管し詳細調査を実施した。 1.細管内外面の目視観察 細管外面は、海水出口側の管板端部直近の位置(管板端部から約30mm)に円周方向に溝状の腐食減肉が見られ、管板端部から見て時計方向に 約85度の位置にだ円形状の貫通孔(1.8mm×1.0mm)1個が見られた。
細管外面は、全般的に地肌を呈しているが、溝状の腐食減肉部近傍には黒色及び暗赤色を示す箇所が認められた。 細管内面は、貫通孔以外のその他の部位は全面に茶褐色のスケールに覆われており、腐食、減肉は認められなかった。 2.漏えい部のミクロ観察 漏えい部の断面ミクロ調査の結果、腐食部は割れもなく、滑らかな形状を呈していた。 3.成分分析 細管外面腐食部について成分分析を実施した結果、細管の主成分である銅、亜鉛が主体であり、特異な成分は認められなかった。 細管内面スケール分析の結果、付着量は1.7mg/cm^2でスケール中のFe分は41.4%であり、Feに富む保護被膜が形成されていた。また、特異な成分は認められなかった。 4.細管の機械的性質及び化学成分分析 細管の機械的性質及び化学成分は、いずれも規格値を満足しており、異常は認められなかった。 |
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事象の原因 | 細管の漏えい箇所が上部エアークーリングゾーンの下部周辺部の管板端部直近の位置であること、腐食は細管外面から進行し、溝状の腐食が円周方向に見られること、また、腐食部は滑らかな形状を呈していることから、二次系水質調整に使用しているアンモニア及びヒドラジンが分解したアンモニアが、凝縮したドレンに溶解することに起因するアンモニアアタックにより、細管外面からの腐食が徐々に進行し、貫通漏えいに至ったものと推定される。 |
原因分類 | |
事象の種別 |
時間依存性のある劣化事象
火災に該当しない事象 |
再発防止対策 |
1.調査のため抜管した漏えい細管(1本)については、管板部に閉止短管を取り付けた後、施栓を実施した。 2.毎定検実施しているECTに加え、管板端部近傍のアンモニアアタックに着目して実施してきた、上部エアークーリングゾーンの下部周辺部の管板端部ECT頻度を、3定検毎から毎定検にする。 |
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水平展開の検討 | 対象外 |
添付資料 |
状況図 MKE003640ZU(107KB)
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プレスリリース |
発生時運転モード | 発生前の電気出力 | ||
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発見の方法 | 運転監視 | ||
発電所への影響 | 出力抑制 | ||
発電停止時間 | 0時間 0分 |
外部への放射能の影響 | なし | ||
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保安規定違反 | なし | ||
検査指摘事項の 深刻度(SL)判定結果 |
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運転上の 制限外への移行 |
なし | ||
自動で作動した安全系 | 手動で作動した安全系 |
同発電所で発生した 同様事例 |
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その他 |