通番 | 10863 | 報告書番号 | 2009-東京-S048 |
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情報区分 |
その他情報 |
報告書状態 | 最終報告 |
事象発生日時 | 2010年 03月 03日 | ||
会社名 | 東京電力株式会社 | 発電所 | 福島第一発電所4号 |
件名 | 福島第一原子力発電所4号機使用済燃料プール内における異物の確認について |
事象の概要 |
1.事象の発生状況 定格熱出力一定運転中の当所4号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)の原子炉建屋5階使用済燃料プールにおいて、過去に4号機で発生した漏えい燃料2体のうち1体目を、知見拡充のためファイバースコープを用いて調査していたが、平成22年3月2日午後9時30分頃、当該燃料集合体内部に線状の異物らしきもの1個を当社社員が確認した。 その後、3月3日に当社にて線状の異物らしきも のを詳細に確認したところ、異物の特定には至らなかったが、線状の金属らしきもの(長さ約20mm、太さ約0.2mm)であることを確認した。
なお、2体目を含めた今後の調査中に同様の異物らしきものが確認された場合は、とりまとめてお知らせすることとしていた。 その後、引き続き漏えい燃料の調査を行っていたが、3月18日午後3時30分頃、2体目の燃料集合体内部に異物らしきもの1個を当社社員が確認した。 異物らしきものを詳細に確認したところ、線状の金属らしきもの(長さ約20mm、太さ約0.3mm)であることを確認した。 なお、平成22年2月17日より実施していた漏えい燃料2体の調査については、3月29日に終了している。 2.調査結果 今回調査を行った漏えい燃料2体は、それぞれ平成18年および平成20年に使用済燃料プールに保管したものであり、平成16年以降、使用済燃料プールへの異物混入防止対策の強化を行っていることから、保管後に使用済燃料プールの上部から混入した可能性は低いものと考えている。 今回の調査で確認した2個の異物は燃料集合体内部の狭隘部にあること、異物が確認された燃料は線量が高いことから回収が困難であり、異物の特定および異物の混入時期や混入経路の特定には至らなかった。 なお、1体目の漏えい燃料(平成18年に漏えいが確認された燃料)において3月2日に確認された異物については、異物の発見場所と漏えいが確認された燃料棒の場所が異なり、また燃料棒には異物による接触した痕がないことから、確認された異物が漏えいの直接的な原因とは考えにくいものの、ごく小さなピンホールからの漏えいであったと推定され、偶発的な事象であると推定した。 一方、2体目の漏えい燃料(平成20年に漏えいが確認された燃料)において3月18日に確認された異物については、異物の先端と漏えいが確認された燃料棒が接しており、また異物の近傍および別の箇所の燃料棒の表面に接触した痕が確認されたことから、漏えいは今回発見されたような異物が燃料棒と繰り返し接触したことによる偶発的な事象であると推定した。 また、燃料集合体の漏えいが確認された平成18年および平成20年当時の調査において、原因については異物等の影響により偶発的に発生したものと推定していたが、今回の調査において当時の調査を裏付ける結果となった。 3.今後の対応 確認された2個の異物は燃料集合体内部の狭隘部にあり、また線量が高いことから異物の回収が困難であること、さらに当該漏えい燃料は使用済燃料で再使用はしないことから、当面の間現状のまま使用済燃料プール内で保管することとする。 引き続き、異物混入防止対策を徹底していく。 |
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添付資料 |
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